2010年03月14日
レザルタスの勉強会をしました。
高親和性ARB/持続性Ca拮抗薬配合剤
「レザルタス配合錠LDHD」の勉強会をしました。
  
H2233日(水) MI♀@東畦店

 
降圧薬オルメサルタン メドキソミル(オルメテック)とアゼルニジピン(カルブロック)
の配合剤                 
20101月製造承認 

 ☆組成・性状
レザルタス配合錠LDは、オルメサルタン メドキソミル10アゼルニジピン8咾魎淪する円形状。
レザルタス配合錠HDは、オルメサルタン メドキソミル20アゼルニジピン16咾魎淪する長円形状。 
割って使うケースを考えていないのと、半分にしても均一とはいえないため、割線はなし。 

☆効能・効果
  高血圧症
 
ただし過度の血圧低下のおそれ等があるため、高血圧治療の第一選択薬にはできない。
その理由は、降圧薬は低用量から開始し、効果不十分な場合には、
増量または他剤併用という方法がとられるのが一般的だから。

 
☆用法・用量
 通常、成人には1日1回1錠(オルメサルタン メドキソミル/アゼルニジピンとして10/8咾泙燭20/16咫砲鯆食後に経口投与する。

 
☆用法・用量に関連する使用上の注意
・オルメサルタン メドキソミルとアゼルニジピンの用法・用量をふまえ、患者毎に用量を決める。

・原則としてオルメサルタン メドキソミル及びアゼルニジピンを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に、レザルタス配合錠への切り替えを検討する。

・原則として、増量は1つの有効成分ずつ行う。

 
☆レザルタス配合錠の特徴
・オルメサルタン メドキソミル及びアゼルニジピンの各単剤投与よりも強い降圧効果を示す。
・用量依存的に降圧効果を示す。
・投与2週から降圧効果を示す。
24時間にわたり安定した持続的な降圧効果を示す。
・心拍数への影響は認められない。強い降圧効果を示すにもかかわらず、降圧に伴う反射性頻脈をほとんど発現しない。(アゼルニジピンの交感神経抑制作用に起因するため。)
・主な副作用は、めまい、立ちくらみ、頭痛、動悸等であり、オルメサルタン メドキソミル及びアゼルニジピン単剤と同等で、レザルタス配合錠特有の副作用は認められなかった。

 
☆JSH(日本高血圧学会)ガイドラインで推奨されている併用療法の比較   
ACE阻害薬+Ca拮抗薬の併用群と、ACE阻害薬+利尿薬の併用群では、 前者の方が心血管系イベントに対する抑制が優れている。 この事から、薬剤間による降圧効果の持続性や血管に与える影響に違いがあるのではないかと考えられた。

Ca拮抗薬+ACE阻害薬の併用群と、β-遮断薬+利尿薬の併用群では、わずかではあるが前者の方が心血管系イベントを16%有意に抑制した。 両群とも上腕血圧に及ぼす影響は同等だったが、中心血圧(大動脈血圧)の低下作用は、Ca拮抗薬+ACE阻害薬併用群の方が大きく、この事が心血管系イベントの差につながったのではないか?と考えられた。 

☆中心血圧とは?
心臓が血液を送り出す部位(大動脈起始部)の血圧のことで大動脈血圧ともいう。近年の研究により、中心血圧が上腕血圧とは独立して心血管イベントと関連し,高血圧に伴う臓器障害退縮のマーカーとなる可能性が示唆されている。

心臓カテーテルを使った侵襲的な測定ではなく、橈骨動脈脈波から非侵襲的な
中心血圧の測定が可能となったことで、心血管病リスク評価の新しい手段として注目されている。

大動脈と小動脈では、血管壁成分や血管径の違いにより、左室から駆出された
血液は大動脈から末梢に伝わる間に圧波が増幅されて、上腕血圧の方が数Hg高値を示す。最近この中心血圧と上腕血圧に対し、薬剤間で降圧度に違いがあることが報告されている。 

ARBCa拮抗薬の併用群とARB+利尿薬併用群では、上腕収縮期血圧及び 24時間収縮期血圧の低下は、いずれも両群間で差は認められなかった。 しかし、中心収縮期血圧の低下は、前者の方が後者よりも有意に低下した。

 
☆中心収縮期血圧低下の差に関する2つのメカニズム
ARBCa拮抗薬を併用することによって、利尿薬併用と比較して末梢の筋性動脈がより拡張され、圧反射波の大きさが著明に減少したためと考えられる。

Ca拮抗薬が交感神経活性を抑制することで血管の緊張が緩和され、大動脈脈波 伝播速度が低下し、末梢から心臓への反射波の戻りが遅延したためと考えられる。 

☆まとめと感想
オルメサルタン メドキソミル及びアゼルニジピンの各単剤よりも、24時間にわたり強い降圧効果を示し、心拍数に影響を与えないにもかかわらず、レザルタス配合錠特有の副作用がない。という特徴を持っているので、投与量が安定している患者さんにとっては、レザルタス配合錠1剤を服用するだけでいいという手軽さは、負担が少なくていいなと思いました。

しかし、患者毎に用量を決める必要があり、増減する場合は1つの有効成分ずつ
行なわなければならない等、投与量を決めるにあたり煩雑な面があるところには使いづらさを感じました。

一方では、
ARBCa拮抗薬を併用することで、最近注目されている中心血圧下げて心血管系イベントを抑制することができるのであれば、他薬剤の特徴を踏まえながら、より細やかな降圧治療ができるようになるのではないかと思いました。

ただ、橈骨動脈から測ることのできる血圧計が高価であり、一般的にまだあまり
普及していない事は残念であり、今後身近な血圧計になることを期待したいと思います。