2014年06月17日
骨粗鬆症フォルテオ」の勉強会をしました。

岡山の街の健康応援団!!
岡山市の元気でやりがいのある調剤薬局
”はな薬局”by A.I.E.(Attitude Is Everything.)

    骨粗鬆症フォルテオ」の勉強会をしました。                    
                                  2014年06月16日
                                    By TM@東畦店

 ●骨吸収と骨形成
骨は、骨吸収と骨形成を繰り返すことでその形と健康を保っている。体内でカルシウムが必要となったり骨が古くなったりすると、「破骨細胞」が骨を壊し、カルシウムを血液中に流す。この骨の破壊を「骨吸収」という。すると今度は「骨芽細胞」が削られた部分を補修するように新しい骨を作る。これが「骨形成」である。
加齢や閉経などの理由で骨吸収と骨形成のバランスが崩れることにより、骨が弱く、もろくなり、骨粗鬆症への発症へつながる。

 ●ヒト副甲状腺ホルモン(PTH
ヒト甲状腺ホルモンは84個のアミノ酸からなる単鎖ポリペプチドホルモンであり、このN末端1-34アミノ酸に生物学的活性がある。フォルテオはこの1-34アミノ酸の部分を持つ遺伝子組み換えホルモン製剤である。

 PTHの骨への影響

 PTH――持続的→ 破骨細胞の数/機能↑ → 骨吸収↑ → 血清Ca++
   ――間歇的→ 骨芽細胞の分化/機能↑ → 骨形成↑ → 骨量/骨強度↑ 

上記のようにPTHは持続的に作用すれば、骨吸収が促進され、間歇的に作用すれば骨形成が促進される。通常体内では持続的にPTHが分泌されており骨吸収促進に働いている。しかしフォルテオを11回投与することは間歇的に作用を及ぼし、骨形成促進剤となる。       

●フォルテオの特徴
1.世界80か国以上で承認されている骨形成促進剤
・破骨細胞が亢進している状態の骨にフォルテオを投与すると、前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、および骨芽細胞のアポトーシス抑制が起こり、骨形成が促進されることによって骨新生が誘発される。新しく作られた骨は質が良く、思春期の若い骨に戻すことができる。
・骨代謝マーカーに及ぼす影響を検証した試験により、骨形成マーカーを1か月で105%6か月で最大値である218%まで上昇させることが示された。  

2.BMDBone Mineral Density:骨密度)を有意に増加
・骨折の危険性の高い骨粗鬆患者を対象とした国内第形蟷邯海嚢椎BMD12か月で10.04%18か月で11.93%24か月で13.42%増加した。
・骨折の危険性の高い閉経後骨粗鬆症患者を対象とした外国実薬対照試験で腰椎BMD18か月で10.92%増加した(アレンドロネートは5.51%増加) 

3.骨折発生リスクを抑制
・新規椎体骨折発生率を84%抑制、非外傷性非椎体骨折発生率を53%抑制 

4.その他のデータ
・ステロイド性骨粗鬆症のBMDを改善、骨折発生率を抑制した。
・男性骨粗鬆症のBMDを改善した。
・背部痛を改善した。→骨質改善による効果と考えられる
・投与中止後も骨折の発生率を抑制した。
・ビスフォスフォネートで起こった顎骨壊死の症例に8Wフォルテオを投与し、改善したとのデータあり。 

*骨吸収抑制との比較
ビスフォスフォネート:破骨細胞を抑制し、骨吸収を抑制する。骨形成はわずかに行われるが、骨新生は十分といえない。→骨質に問題あり?非定型骨折の増加がみられる。

 ●フォルテオのDI 

◆効能効果:
骨折の危険性の高い骨粗鬆症

 ◆用法容量:
11回テリパラチドとして20μgを皮下注射する。なお、本剤の投与は24か月までとする。
24か月しか投与できないのは、ラットで投与量・投与期間に応じて骨肉腫の発生率が増えたとの報告があるため。生涯で24か月までであり、中断した場合でもトータルで24か月まで使用できる。
1W1回での検証も行ったが、高Ca血症に起因すると思われる頭痛や悪心の発生率が増加したため、11回とした。 

◆副作用:
一過性の血中Ca濃度上昇によると思われる、頭痛、悪心がみられることがある。通常、投与開始後3日〜7日くらいで発現し、短期間で消失する。

 ◆相互作用
禁忌はなし。
併用注意として活性型VD3製剤があり。→血清Ca濃度が上昇するおそれがあるため。実際には併用されているケース多数あり。またジキタリス製剤も高Ca血症に伴う不整脈があらわれる可能性があるため、併用注意となっている。 

◆薬物動態:
Tmax; 0.25hr  T1/2; 0.708hr(単回投与) 


 
●自己注射の手技・注意点について 

基本的にはインスリンの自己注射と同様であるが、異なる点もあるので注意が必要。

□手順1:注射針を取り付ける(インスリン用の針と共通)
□手順2:注入ボタンを引っ張る
→必ず赤い線が見えるまで引っ張る。途中までしか引っ張れていなかったら、注入ボタンが動かない。
□手順3:注射部位を消毒後、注射する(注射部位はお腹や太もも、場所は毎回変える)注射ボタンを押したまま5秒待ち、親指を離さずに皮膚から針を抜く。注入ボタンは黄色いシャフトが完全に見えなくなるところまで押し込むこと。
□手順4:注射針を取り外し、冷蔵庫に保管する 

<注意点>
1.  空打ちは初めてその製剤を使う時の1回のみ。(インスリンは注射の度、毎回行う)
1本で28日分使える。実際には30回分入っているが、1回分は初回の空打ち用、もう1回分は万が一気泡が入った時の空打ち用。 

2.  使用開始後も冷所(2〜8℃)で保管する。(インスリンは使用開始後、室温保存)開始前も冷所保存、持ち歩きは30分以内で。それ以上になる場合は専用の保冷バックなどを利用する。→患者様1人ずつにフォルテオスーツケースが用意されている。(中に説明書などとともに専用保冷ポーチ、保冷剤が入っている) 

3.  凍結させないようにする。少しでも凍結すると注入ボタンが押し込めなくなる。持ち運び時に保冷剤使うときも注意必要。直接接触すると凍結の恐れあり。専用ポーチでは保冷剤を入れる場所と製剤を入れる場所が別になっている。 

●その他
・他の骨粗鬆症製剤との併用は?
骨吸収抑制剤(BP剤、SERM)は作用機序上、骨形成機能が低下してしまうので併用しないほうが良いと考えられる。実際には併用するケースもみられるが、岡山県内でBP剤との併用で保険上査定された例もあるとのこと。
Ca剤や活性型VD3製剤は併用可能。併用注意にVD3剤あるが、臨床での血清Ca濃度上昇の報告はないとのこと。 

・投与時間はいつでもいいのか?忘れた場合は?
1日1回ならいつでもOK。忘れないためにはいつも同じ時間帯に投与するのがよい。忘れたときはその日のうちなら気付いた時に注射する。次の日に2回は投与しない。4〜6時間で消失すると考えられるので、前の投与から最低6時間あければ投与可能と思われる。 

・投与忘れなどで、初回投与から28日経過後も薬が残っている場合は?
1本28日用として作られている。そのため28日経過後の安定性などの試験データは存在しない。ただし、高価な薬でもあり実際にはそのまま最後まで使われるケースはある。その場合でも今のところは問題があったとの報告はない。 

・一度に何本まで処方できる?
3本まで。それ以上は保険で査定される。

 ●考察
骨吸収抑制剤はこれまでにいろんな種類の製剤が発売されているが、骨形成促進剤は初めての製剤であり、効果もかなり期待できそうである。特に骨質がよくなり、背部痛が改善されるのは良い点であると思う。薬局に多くの圧迫骨折の患者様が来られるが、少なくない患者様が痛みを訴えられ、辛そうにされている。
そのような患者様の痛みを緩和できるならコンプライアンス向上にもつながると思われる。ただ、対象患者は高齢の患者様が多い中で自己注射のハードルは、決して低くはない。今までは実際には投薬したことはなかったが、これから薬局で投薬する可能性もあるので、患者様が正しく自己注射できるようしっかり手技や注意点を伝えられるようにしなければならないと感じた。

     

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