2011年07月02日
イソバイドの飲み方研究をしました。 No1の方法はどれでしょう?

平成23年7月3日
イソバイドの飲み方研究をしました。 No1の方法はどれでしょう?
                                                 By AN@妹尾店

<イソバイドのコンプライアンス向上について> 

 2011年3月に行われたゆうえん先生の【めまい〜診断と治療のポイント〜】の勉強会、メニエール病と水分摂取の関係について(※1)読ませて頂いた際、イソバイドのコンプライアンス向上について以前聞いたことがあった以下の内容を石川先生にお話した所 

《イソバイド服用方法の工夫》
1.冷やして服用する(氷を入れる)
2.水で希釈する(服用量が増えるので希釈倍数に注意)
  一般的には冷水で2倍程度に希釈して服用
  2倍でも飲みにくい患者には5倍程度の希釈可能
3.甘味のあるジュースを加える
  リンゴ酢ジュースまたはオレンジジュースを同量混ぜる
4.レモンの絞り汁を加える
5.シャーベット状にして服用する
※但し、牛乳で希釈する方法は適当ではない。イソバイドの水溶液はpH2〜4の酸性であるため、牛乳中の蛋白質が凝集し、ゲル化してしまう。

「うーん、イソバイドは凍らないよ」「え?!そうなんですか」
というお話をさせていただきました。そのことがきっかけで、イソバイドのコンプライアンス向上のためにどのような飲み合わせが良いか、実際に体験してみましょうということになりました。

 
  
●坑利尿ホルモン(ADH)の血中濃度上昇は内リンパ水腫を増強する。
   メニエール病患者では大量の水分摂取により発作を予防できる。
   水分摂取を控えると抗利尿ホルモンの濃度が上昇し、状態が悪化する。
   腎機能等の問題が無ければ、1日2.53Lの水分摂取を推奨。
 
イソバイド:本剤の承認された用法・用量。
メニエール病の場合には、1日体重当り1.52.0mL/kgを標準用量とし、通常成人1日量90120mLを毎食後3回に分けて経口投与する。症状により適宜増減する。
必要によって冷水で2倍程度に希釈して経口投与する。
 
【薬剤調製】イソバイド原液10ml
   小岩井純粋りんご 果汁30
   ザ・プレミアムカルピス(乳酸菌飲料)
   グレープ 果汁10
   レッドグレープフルーツ 果汁100
   マンダリンジュース 果汁100
それぞれを同比率10ml混合した。 

【味覚評価】
妹尾店健康成人薬剤師3名(男性1名、女性2名)を対象に実施。
とても飲みやすい(3点)、飲みやすい(2点)、何とか飲める(1点)、飲みにくい(0点)の4段階評価とした。
イソバイド原液の味の評価としては、不味い、甘苦い、口をゆすぎたくなる苦さ、とのことであった。 

【結果】
                                        男性     女性   女性
   小岩井純粋りんご 果汁30%          3点    1点   1   →4
   ザ・プレミアムカルピス(乳酸菌飲料)         0点     1点   2    3
   グレープ 果汁10%              1      2点   2点  →5
   レッドグレープフルーツ 果汁100%      2      3点   2点  →7
   マンダリンジュース 果汁100%        1      1点   2点  →4 

レッドグレープフルーツ(7点)>グレープ(5点)>小岩井純粋りんご・マンダリンジュース(4点)>ザ・プレミアムカルピス(3点)
柑橘系の酸味や苦味とイソバイドの苦味の組み合わせが味をマスキングしやすく、グレープのようなそれ単体で味の濃いものも味をごまかしてくれる。ただ、酸味があっても甘みの強いもの、もしくはただ甘いものに関してはイソバイドの苦味と余計相容れない、という結果になった。
※因みに、イソバイド原液10mlを冷凍庫製氷部に24時間以上保存したが、凍る、シャーベット状になることは無かった。 

【考察】
イソバイド液の副作用上位として悪心・嘔吐、吐き気があり、これらは味の悪さによる不快感から来るものが多いと考えられ、イソバイドを味付けすることにより味の悪さを是正し、コンプライアンスの向上や副作用の防止につなげることが出来る。

ただし、実際服用されている方のご意見として『薄めたり混ぜて服用量が増えるのは不快感が増すので、冷蔵庫で原液を冷やして一気に飲む方が続けられる』というものがあった。
服薬指導時、知識をそのまま伝えるだけでなく、実際に毎日服用されることを考え、患者さんそれぞれにあわせたオーダーメイドのアドバイスが出来るよう、この結果を生かしていきたいと思う。 

【参考までに、他薬局評価】インターネットHPより
<(株)ナカジマ薬局>
第20会記念大会 北海道情報調剤研究会ポスターセッションより
『イソバイド液の味付け調査』
薬剤師9名(男5名、女4名)で、イソバイド液と22種の飲み物との飲み合わせの試飲を実施。レモンティー、ウーロン茶>グレープフルーツジュース、水で5倍希釈>炭酸ソーダ>パイナップルジュース>ポカリスェットの順で、その結果、淡味のもの、酸味のものが飲みやすいことが判明。イソバイド液服用患者対象とした場合、男女差、一回服用量、年代にかかわらず、概ね原液、水で2倍希釈している人が多く、次に、りんごジュース、パイナップルジュース、グレープフルーツジュース、ポカリスェットで飲みあわせていることが判明し、薬剤師で実施した結果とほとんど有意差はなかった 

<興和株式会社
HP
『イソバイド味覚試験』より
【対象】健康成人10名(男性5名、女性5名)、平均年齢 36
【薬剤調製】30mLの薬杯にイソバイド原液を3L入れ、飲料水及びオレンジジュース、リンゴ酢ジュース、野菜ミックスジュース、無糖コーヒー、加糖コーヒー、おしるこ、牛乳、コーヒー牛乳を3L配合し、イソバイドと同比率とした。
【味覚評価】服用できる(5点)、ほぼ服用できる(4点)、何とか服用できる(3点)、ほとんど服用できない(2点)、全く服用できない(1点)の5段階評価とした。
服用はイソバイド原液から始め、さらに服用して評価した後に毎回、後味が残らないようにうがいを施行した。【結果】リンゴ酢ジュース、オレンジジュース(40点)>水、イソバイド原液(30点)>おしるこ、野菜ミックスジュース(29点?)>コーヒー牛乳、牛乳(25点)>加糖コーヒー、無糖コーヒー(23点?)
イソバイド原液の評点合計は31点で、これを上回ったのは、水、オレンジジュース及びリンゴ酢ジュースであった。オレンジジュース及びリンゴ酢ジュースは、評点合計がいずれも40点を示し、服用できないとの評価を下したものはなく、最低でも評点3を示した。



<イソバイドコンプライアンス向上について〜第二弾〜> 

第一弾で行った結果をもとに、評価の高かったレッドグレープフルーツを基準に、各スーパーで手に入るメーカー違いのグレープフルーツジュース(ピンク、白、混合)を集め、更に味覚が同じような柑橘系のジュースも対象に組み込み、どのメーカーのグレープフルーツジュースが一番飲みやすいのかを比較検討した。
 

【薬剤調製】
イソバイド原液5ml
    MinuteMaideグレープフルーツジュース(ピンク) 果汁100%
    Welch’sリオレッドグレープフルーツジュース(ピンク) 果汁100%
    Tropicanaグレープフルーツジュース(白&ピンク?) 果汁100%
    Doleグレープフルーツジュース(白) 果汁100%
    Gokuri(白?) 果汁30%
    c.c.Lemon 果汁1% 微炭酸
    土佐の風味 文旦の実り(文旦果汁+レモン汁)
    土佐の風味 ゆずの香り(ゆず果汁+レモン汁)
それぞれを同比率5ml混合した。

【味覚評価】
健康成人8名(男性3名、女性5名)を対象に実施。
とても飲みやすい(◎3点)、飲みやすい(○2点)、何とか飲める(△1点)、飲みにくい(×0点)の4段階評価とした。 

【結果】
グレープフルーツジュースの中では、サントリーGokuri果汁30%が好評であった。次に、Welch’sリオレッドグレープフルーツジュース(ピンク)果汁100%となった。 

更に、今回は新しい発見として、混合後の味覚の好みに関して、性差も見受けられた。
c.c.Lemon果汁1%微炭酸は全体的には好評であったが、男性と女性で間逆の評価を受け、男性には不評であるが女性には好評、文旦の実り(文旦果汁+レモン汁)、ゆずの香り(ゆず果汁+レモン汁)も女性には不評であったが、男性には好評という結果であった。 

また、今回のイソバイドの実験では、前回の経験者3名が居たが、例え混合して原液が飲みやすくなったとしても、2回目の服用実験に関して苦痛を多少なりとも感じており、後味は消えきらない、原液を服用後ジュースを飲んで口直しをする方が良い、という意見が出た。実際服用したことのある経験者数名からも、やはり極限まで原液を冷やして服用後何か飲んで紛らわす方が良い、という意見があった。(原液が凍らないのは第一弾の実験で証明された)
(添付資料参照) 

【考察】
レッドグレープフルーツジュースよりも白グレープフルーツジュースの方が苦味が強いと考えられるため、イソバイドの苦味と相乗し相容れなかった。逆にレッドグレープフルーツジュースベースのものは、苦味や酸味が白ほど強くなく、その分甘味があるので、評価が高かった、と思われる。
また、評価が高かったGokuriの関しては、果汁が30%と控えめな上、糖分が別で加えられており、ほどほどの苦味酸味に甘味を感じることが出来たため、理想的だったのだと思われる。
c.c.Lemon果汁1%微炭酸もかなり好評であった。
これは、Gokuriの結果から考えられる相性の良い飲み物の条件を満たしており、この評価につながったものと考えられる。 

【感想】
前回、『柑橘系の酸味や苦味とイソバイドの苦味の組み合わせが味をマスキングしやすく、それ単体で味の濃いものも味をごまかしてくれるが、酸味があっても甘みの強いもの、もしくはただ甘いものに関してはイソバイドの苦味と余計相容れない』という結果を得て、グレープフルーツジュースであれば、条件を満たしているので、どの種類のものも変わりないだろうと思っていたが、果汁100%のものが必ずしも好評と云う訳ではない、グレープフルーツジュースでも、酸味の他に苦味が強い白ベースのものは不評である、という結果を得て驚きました。 

また、実験終了後、被験者皆ジュースで口直しをし、精神的脱力感を感じていました。これよりこの原液の苦味・えぐみは、服用が長期になればなるほど心身ともにかなり負担になるのが良く分かりました。今回の結果を受けて、混合して服用量が増えるよりも、原液を冷凍庫で冷やし、服用後、
GokuriWelch’sリオレッドグレープフルーツジュース、c.c.Lemon等、酸味と少量の苦味、甘味のある飲み物、男女それぞれの好みのジュースを服用して口直しをするのがベストであるように感じました。

 
ただし、今回の実験の酸味・苦味・甘味などは個人の主観による事、性別や年齢などはデーターが少ないので、あくまでこのお薬を飲まれる患者さんが少しでも気持ちを軽く出来るよう何かきっかけのお話になればと思います。

(下記資料が不鮮明で残念です。)

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