2010年06月18日
「グレースビット」についての勉強会をしました。
「グレースビット」(第一三共)の勉強会をしました。

2010610日  DT@妹尾店

2008
年発売。

一般名: シタフロキサシン水和物
略号: STFX
用法: 1回50mgを1日2回。効果不十分の場合は、1回100mgを1日2回経口投与できる。

 
<特徴>
 Ÿ   “幅広い”抗菌活性Ø  呼吸器感染症、尿路感染症の両方に適応がある。
     近年のニューキノロンであるアベロックス(2005年発売)、ジェニナック(2007年発売)
     では、後者の適応は無い。他にグレースビットの適応として、
     性感染症、歯科・口腔外科領域感染症など多岐にわたる。

 Ÿ    “強い”抗菌活性Ø  ニューキノロン系の標的酵素である
     DNAジャイレース、トポイソメラーゼ犬領捷攸任紡个靴突イ譴秦乏桶萓を示す。
     他のニューキノロンでは、各種菌に対し強い阻害作用を示すのはいずれか片方だけ
     ということも少なくない。このため、同菌株の中で比較しても、グレースビットの抗菌力は
     多くにおいて格段に強く、近年増えてきたといわれるキノロン耐性菌に対しても十分な
     抗菌力がある。
     ※DNAジャイレース
        …DNAの二本鎖を両鎖の切断することにより鎖を回転させねじれをとる働きをする酵素。
     ※DNAトポイソメラーゼ…2本鎖DNAの一方または両方を切断し再結合する酵素。

 Ÿ  
尿路感染症に効く理由
   Ø  48時間で70%の尿路排泄があり、他のキノロンに対し多い。

 Ÿ   強い抗菌力からくる副作用「下痢」(5.8%)、「軟便」(7.4%)
   Ø  対策は、ビオフェルミンRとの併用で改善がみられている。 

<その他>
 Ÿ   粉砕、分包した場合
   Ø  味: 苦い
   Ø  安定性: 1ヶ月で黄変
                (外観の変化のみ、光と湿度に弱い)

 
<考察>
 抗菌力が強いがための副作用「下痢、軟便」があるため、発売当初から限定してプロモート
 され臨床使用されてきたが、耐性乳酸菌製剤の併用で対応は可能。
 また、一般的に効きにくいとされる尿路感染症への適応があり、
 なおかつ複雑性尿路感染症におけるキノロン耐性菌に対しても優れた抗菌活性を
 示したデータがあり、泌尿科Dr.には心強い。切り札的ポジションの薬剤として大いに期待できる。

以上

 
2010年06月10日
「スピリーバ レスピマットの吸入方法」についての勉強会をしました。

スピリーバ レスピマットの吸入方法の勉強会をしました。 
                        
  By MH@妹尾店

スピリーバに新しい吸入デバイス『レスピマット』が加わりました。

 
スピリーバ:長時間作用型吸入気管支拡張剤
COPD患者さんにおける定期使用の第一選択薬として推奨されている。 

COPD
60歳の3人に1人はCOPDの疑い有い。
原因:主に喫煙症状
:慢性の咳・痰・息切れ
      ひどい時は一日おぼれるような苦しさ
      COPD患者は健康成人より速い速度で呼吸機能を失っていく
                ↑          
           薬で緩やかにする事は可能
           重症になる前の早期治療(スピリーバの投与)が大切!!


 
レスピマット
 ・レスピマットは薬を霧状にする事で吸入時の利便性を高めたもの→効率よく肺に届く
 ・30日分の吸入ができる
 ・吸入用カプセルと効能・効果は同じ
   ・吸入用カプセル118μg×1吸入 レスピマット12.5μg×2吸入
                        → 1/4の投与で効果同じ
 ・室温保存
 ・無味・無臭 

レスピマットの仕組み
  キャップをあけるとマウスピースが現れ、吸入口となる。
  薬が入ったカートリッジを入れ、透明ケースを装着。透明ケースを回転させてから
  グレーのボタンを押すと霧状の薬が出る仕組み。

カートリッジの挿入方法
  (間違って薬が噴射されないように)キャップを閉じた状態で、安全止めを押しながら
   透明ケースをはずす。
  カートリッジの緑色の部分をレスピマットにむけて挿入し、硬い平面の上でゆっくりと
  押し込んで最後まで挿入(この時、カートリッジが少〜しだけとび出ている)
  透明ケースを装着して完了。

カートリッジを挿入してからはじめて吸入する前に必要な準備
  まず、キャップを閉じた状態にして上向きに持ち、透明ケースをカチっというまで
   180度回転させる。(レスピマットは、吸入液をストローのようなもので吸い上げて
  充填する仕組みなので、上向きにして充填しないと薬が完全に吸いきれないおそれがある)
  キャップを完全にあけて、下に向け(薬が目などに入らないようにするため)
  噴霧ボタンをおす。
  霧が見えるのを確認したら、キャップを閉じて、同じ操作を
  あと3回繰り返す。
  つまり吸入前に空打ちを4回する。ここまでの操作は投薬前に薬剤師が行い、
  空打ちの最後の
1回分を投薬時のデモにすると良いかも。
  この空打ち分は30日分の吸入分には含まれていない事も説明。
 

毎日の吸入方
  1日1回2吸入  まず、キャップを閉じた状態にして上向きに持ち、
  透明ケースをカチっというまで
180度回転させる。キャップを完全にあけ、
  息をゆっくり最後まで吐き出す。通気孔をふさがないように吸入口をしっかりくわえ、
  レスピマットを咽候部へまっすぐ向け噴霧ボタンを押し、できるだけ肺いっぱいに
  息を吸い込み
10秒を目安に苦しくならない程度の間息を止める。
  キャップを閉じ、もう一度同じ操作を繰り返す。
  吸いながら押せばむせにくい。息を吐いたり、止めたりするとむせる事がある。 

保管・手入れ  使用する時以外はキャップを閉じて保管  
  少なくとも、週に1度はマウスピースとその内側の金属部分を布などで拭く。
  水で洗浄はできない。

 感想:
  慣れないうちは、患者さんに吸入法を説明するのがぎこちなくなりそうなので、
  伝えることに漏れがなく、できるだけ分かり易く説明できるように、自分の中で
  しっかりと整理しておかなくてはと思いました。

 
2010年06月04日
「ラミクタール」について勉強会をしました。

ラミクタールについて                                                        
By TH@東畦店


 
ラミクタール錠(ラモトリギン:LTG)は、トリアジン骨格を有する新規抗てんかん薬です。195060年代に抗てんかん薬治療を受けている患者さんで葉酸欠乏がみられたことなどから、1970年代に入って抗葉酸作用を持つ化合物が抗てんかん薬と成り得るとの仮説に基づき、新規抗てんかん薬を探索し、ラモトリギンが見出されました。本剤は1990年にアイルランドで成人部分てんかん患者さんに対するadd-on療法薬として承認を取得して以来、世界中で500万人以上のてんかん患者さんに投与されており、成人については104ヵ国以上で、小児については94ヵ国以上で承認を取得しています。特に小児領域の難治てんかんとして知られているLennox-Gastaut症候群のてんかん発作に対する治療薬としても50ヵ国以上で承認されており、本邦でも200812月の発売以来、成人に加え小児にも適応を有し、Lennox-Gastaut症候群への適応も取得している本邦初の抗てんかん薬です。

[効能・効果]
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法
 部分発作(二次性全般化発作を含む)
 強直間代発作
 Lennox-Gastaut症候群における全般発作  

[用法・用量]
成人( ラミクタール錠25mg100mg):
・バルプロ酸ナトリウムを併用する場合: 
   通常、ラモトリギンとして最初の2週間は125mgを隔日に経口投与
  し、次の2週間  は125mg1回経口投与する。
  その後は、12週間毎に2550mgずつ漸増する。維持用量は
  1100200mgとし、2回に分割して経口投与する。
・バルプロ酸ナトリウムを併用しない場合: 
  (1)本 剤のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤注1)を併用する場合:
    通常、ラモトリギンとして最初の2週間は150mg1回経口投与し、
    次の2週間は1100mg2回に分割して経口投与する。
    その後は、12週間毎に最大100mgずつ漸増する。
    維持用量は1200400mgとし、2回に分割して経口投与する。
 2)(1)以外の抗てんかん薬(注2)を併用する場合:
    バルプロ酸ナトリウムを併用する場合に従う。

小児(ラミクタール錠小児用2mg 5mg 、ラミクタール錠25mg 100mg):
 ・バルプロ酸ナトリウムを併用する場合:
  通常、ラモトリギンとして最初の2週間は10.15mg/kg1回経口投与
 し、次の2週間は10.3mg/kg1回経口投与する。
 その後は、12週間毎に最大0.3mg/kgずつ漸増する。維持用量は、
 バルプロ酸ナトリウムに加えて
本剤のグルクロン酸抱合を誘導する
 薬剤(注1)を併用する場合
115mg/kgとし、本剤のグルクロン
 酸抱合を誘導する薬剤(注1)を併用していない場合
113mg/kgとし、
 2回に分割して経口投与する。なお、1日用量は最大200mgまでとする。
・バルプロ酸ナトリウムを併用しない場合: 
 (1) 本剤のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤(注1)を併用する場合:
  通常、ラモトリギンとして最初の2週間は10.6mg/kg2回に分割して
  経口投与し、次の2週間は11.2mg/kg2回に分割して経口投与する。
  その後は、12週間毎に最大1.2mg/kgずつ漸増する。維持用量は
  1515mg/kgとし、2回に分割して経口投与する。なお、1日用量は
  最大400mgまでとする。
2)(1)以外の抗てんかん薬(注2)を併用
  する場合:
バルプロ酸ナトリウムを併用する場合に従う。
     (注1)フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、
            その他本剤のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤
     (注2)ゾニサミド、ガバペンチン、トピラマート、その他本剤のグルクロン酸抱合に
            対し影響を及ぼさない又は影響が明らかでない薬剤

 
[ラモトリギンの作用点]  
 
Na+チャネルを頻度依存的かつ電位依存的に抑制することによって
  神経膜を安定化させグルタミン酸等の興奮性神経伝達物質の遊離を
  抑制することにより抗けいれん作用を示すと考えられている。
  また、Ca2+チャネルへの阻害作用が報告されている。
 

2010060412145022677.jpg

 
                 

[ラモトリギンの代謝] 
                  →
パブロン酸:LTG代謝阻害
 
主としてグルクロン酸抱合により代謝
 

                       →カルバマゼピン:LTG代謝促進

 [副作用]

 主な副作用は傾眠、めまい、肝機能障害、発疹等

   

 *注意すべき皮膚障害について*

  皮膚障害は投与開始から8週間までに多く見られる。

初期症状(発熱、目の充血、咽頭通、口唇口腔のただれ、全身倦怠感)の発現に注意!               

  皮膚障害を防ぐ為にも用法、用量を遵守の事!

  <症状が重篤化しやすいリスクファクター>

*承認容量を超えた投与

*パルブロ酸ナトリウム併用例   

*小児患者さん

      

[ 考察 ]
 日本のてんかん患者さんは約100万人と言われており、既存の薬物療法で十分に
 コントロールされていない患者さんが約
3割いると言われています。
 「ラミクタール
®錠」は、2歳以上の小児から高齢者までの部分発作と全般発作、
 小児の
Lennox-Gastaut(レノックス・ガストー)症候群に適応を有し、
 幅広い患者さんの新たな治療の選択肢として期待される薬剤であり、
 今後、患者さんの
QOLの向上につながることが望まれます。