2010年04月21日
β2刺激薬、主にメプチンについての勉強会をしました。

β2刺激薬、主にメプチンについて 
                                  
By MS@内尾

 
≪β2刺激薬の分類≫
   β2刺激薬は、薬剤自身が有する固有活性(最大の気管支拡張反応)からフルアゴニストとパーシャルアゴニストに分類される。

フルアゴニスト   :5%の受容体占有 ⇒ 100%のシグナル
  β受容体  ⇒ シグナル 
        ⇒      

パーシャルアゴニスト
100%の受容体占有 ⇒ 100%のシグナル
  β受容体  ⇒ シグナル 
        ⇒      

   気管支喘息患者は健常成人に比較してβ受容体が減少しており、また、急性発作時は安定時と比較して更に減少している(加齢によってもβ受容体は減少)。このような受容体が減少している場合でもフルアゴニストは十分な気管支拡張反応が得られるが、パーシャルアゴニストでは、十分な気管支拡張反応が得られない場合がある。


 

 気管(支)平滑筋
心房筋 フルアゴニストパーシャルアゴニスト
パーシャルアゴニスト塩酸プロカテロール(メプチン) 
硫酸サルブタモール(ベネトリン)
硫酸テルブタリン(ブリカニール)
フルアゴニスト臭化水素酸フェノテロール(ベロテック)塩酸クレンブテロール(スピロペント)
塩酸イソプロテレノール(プロタノール)塩酸ツロブテロール(ホクナリン)
エピネフリンキシナホ酸サルメテロール(セレベント)
フマル酸ホルモテロール(アトック) 

⇒ 塩酸プロカテロール(メプチン)は強い気管支拡張反応を持ち、心循環器系への副作用が少ない。βアドレナリン受容体の減少している患者に対しても、メプチンは効果あり。

 
COPDへのメプチンの有用性≫
COPD
(慢性閉塞性肺疾患):
  タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露することで生じた肺の炎症性疾患である。呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示す。気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用することにより起こり、進行性である。臨床的には、徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とする。

 
   COPD患者は、動くと息切れを感じるため、外出や運動を控えるようになり、
ひきこもり、抑うつといった悪循環に陥りやすい傾向にある。

   ⇒  安定期COPDの治療と管理の目的は、症状や息切れを改善し
      
QOLの改善をはかること!

【労作時に生じる息切れの原因】
   COPD患者では気流制限と肺弾性収縮圧の低下により、呼吸障害をきたし呼気が完全に終了する前に吸気が開始されてしまうために、肺過膨張をきたすと考えられている。(エアートラッピング現象)

労作時 … 換気量↑
呼吸数↑ 肺の中にどんどん空気が溜まる
      (動的肺過膨張)
      ⇒ 最大吸気量(IC)↓ 呼吸困難(息切れ)

 
※メプチンは動的肺過膨張を改善し、その結果としてICを改善することが
  確認され、安定期の運 動耐用能の向上が期待できる。

 
【安定期の薬物療法】
   薬物療法の中心は気管支拡張薬であり、患者の重傷度に応じて段階的に増加することが推奨される。気管支拡張薬には抗コリン薬、β2刺激薬、メチルキサンチンがある。薬剤の投与経路は、吸入が最も勧められる。治療効果が不十分な場合には単剤を増量するよりも多剤併用が勧められる。
   軽症では、症状の軽減を目的として、体動などの必要時に短時間作用性気管支拡張薬の使用が推奨される。中等症以上では、長時間作用性気管支拡張薬の定期使用が推奨され、必要に応じて短時間作用性気管支拡張薬を併用する。

     
COPD安定期の治療薬として単剤で最も有効なのは長時間作用型抗コリン薬であり、第一選択薬として使用している。そして、さらなる運動耐容能、QOL向上のためにβ2刺激薬の併用を考慮する。COPD患者では循環器系疾患の併存がよく見られるため、循環器系への影響を考慮し、消失も比較的早い、短時間作用性β2刺激薬(SABA)をまずは選択している。メプチンはβ2選択性が高く、気管支平滑筋にはフルアゴニスト、心房筋にはパーシャルアゴニストとして働くため、より適していると考えられる。 
   すでに長時間作用型β
2刺激薬を使用している場合でも、動悸などの副作用が出現しない限りはSABAを活動時および症状憎悪時に追加併用し、活動範囲を広げることが重要である。

    
※アシストユース…COPD患者の活動性の向上を目指した短時間作用型β2刺激薬
           (
SABA)の使用方法。
            息切れなどの症状を感じる動作(階段昇降時、入浴時等)
            に合わせ、必要に応じて使用される。