2013年05月31日
 疼痛治療剤「ノルスパンテープ」の勉強会をしました。
岡山の街の健康応援団!!
岡山市の元気でやりがいのある調剤薬局
”はな薬局”by A.I.E.(Attitude Is Everything.)

経皮吸収型持続性疼痛治療剤「ノルスパンテープ」
 の勉強会をしました。

2013年05月31日

HO@東畦店
                

ノルスパンテープについて

一般名:ブプレノルフィン
規格:5mg,10mg,20mg
販売開始:2011年8月  
〈効果または効能〉
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛
変形性関節症
腰痛症 

慢性疼痛の原因疾患としてかなりを占めるのが変形関節症と腰痛症であり、その保存療法の一環として薬物療法が行われているが、NSAIDsなどを投与しても治療困難な慢性疼痛に対し鎮痛効果を示す。 

〈作用機序〉
中枢および末梢神経系に広く分布し痛みの制御に関わっているオピオイド受容体の、特にμ1受容体に対する親和性が高く、中枢神経系の痛覚伝導系を抑制することにより鎮痛効果をもたらす。
オピオイド受容体のパーシャルアゴニスト(部分作動薬)として作用するが、親和性は高い。 

〈用法および用量〉
通常、成人に対し、前胸部、上背部、上腕外部または側胸部に貼付し、7日毎に貼り替えて使用する。初回貼付用量はブプレノルフィンとして5mgとし、その後の貼付用量は患者の症状に応じて適宜増減するが、20mgを超えないこと。 

〈特徴〉
皮膚からゆっくり吸収される持続性の経皮吸収型製剤であり、第2種向精神薬に
  指定されている。
同一成分の既存製剤としてレペタン坐剤、レペタン注があり、
  がん性疼痛に
用いられている。
NSAIDsなどで十分に効果の得られない変形性関節症および腰痛症に伴う慢性疼痛
  にも鎮痛効果を示す。
血中ブプレノルフィン濃度は、初回貼付後約72時間で定常状態に達し、
  その後の反復投与により安定した血中濃度を維持することが可能。
徐々に時間をかけて効果を示し、剥離後もゆっくりと血中濃度が下がるため、
  依存性は少ない。海外では薬物(オピオイド)中毒の治療にも用いられている。
内服薬と比べ、腎臓や肝臓への負担が少ない。
世界30カ国で承認されている。 

〈使用上の注意〉
初回貼付時は徐々に血中濃度が上昇し、約72時間かけて定常状態に達するため、
  最初の3日間は必要に応じて
NSAIDs等の併用を考慮する。(一度剥がして次に貼付する
  まで数日あいた場合は、やはり効果が現れるまでに3日程度かかる。)
血中濃度が上昇するおそれや、皮膚症状が発現するおそれがあるので、毎回貼付部位を変え、
  同じ部位に貼付する場合は3週間以上の間隔をあけること。
剥がれてしまった場合は、再度押し付けて貼るか、皮膚用テープ等で固定する。
  粘着力が弱くなった場合は、異なる部位に新しい製剤を貼り替え、
  その時点から7日間貼付する。
熱により、薬の吸収量が増加する性質があるため、電気毛布やカイロなどの熱源に
  接しないように注意する。
貼ったまま入浴できるが、熱によって薬の吸収量が増加するため、影響がでにくい
  上半身の上の方の貼付が好ましい。
MRI検査を受ける際は、必ず剥がすこと。
使用済み製剤にもまだ薬剤が残っているため、必ず粘着面を内側にして半分に折り破棄する。 

〈増量、減量、中止について〉
痛みの強さに関わらず、必ず5mgからスタートすること。
  増量を行うときは、患者の状態および本剤の用量を考慮して、5mg〜10mg
 
 
ずつ貼り替え時に増量する。医師の判断により、10mg+5mgという使い方も可。
  ただし製剤を切って使うことは不可。
  
増量時には副作用も発現しやすくなるため注意が必要。
●減量を行うときは退薬症状を考慮して、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行う。
投与の中止を行う際は、悪心などの退薬症状が現れることがあるため、徐々に減量を行う。
  
20mg→10mg→5mg→中止  が望ましいが、20mg→5mg→中止でも可。
  5
mgで使用の場合は、剥離後1週間の様子見でよい。
 

〈副作用〉
主な副作用の症状には、悪心(62.5%)、嘔吐(35.7%)、便秘(33.7%)、傾眠(30.3%)等がある。
悪心、嘔吐については耐性ができるため、だいたい投与開始後2週間ほどで治まってくるが、最初の1〜2週間はナウゼリン等の制吐薬の併用が好ましい。
また便秘については耐性ができないため、症状に応じて酸化マグネシウム等の便秘薬を併用する。 

〈その他〉
側胸部に貼った時の血中濃度を1とした場合、大腿部に貼ると5割、膝に貼ると
  3割の血中濃度に低下する。
14日の処方制限があるため、1回に2枚を限度とする。
適正使用を推進するため、e-learning受講済みの医師しか処方できず、
  処方医が受講済みかどうかを確認する必要がある。(受講済みの医師に異動があった場合でも
  配属先を追加することで引き続き処方できる。)
ノルスパンテープの購入および調剤する薬局はあらかじめ登録する必要がある。 

感想〉
ノルスパンテープは『非オピオイド鎮痛薬で治療困難な変形関節症、腰痛症に伴う慢性疼痛における鎮痛』に適応の薬剤である。これらの慢性疼痛に対しては、従来はNSAIDsが第一選択薬として用いられていたが、長期投与により消化管障害などの副作用が発現したり、痛みが十分に緩和されない症例もあり、困っていた患者さんも多いだろう。
この製剤は、内服薬に比べ腎臓や肝臓などへの負担も少なく、高齢者でも比較的安全に使用できるため、有用な疼痛コントロール薬となるであろう。ただ、高齢者への処方が増えることが予想されるため、使用上の注意点を丁寧に指導する必要のある薬だと感じた。


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2013年05月23日
過活膀胱治療剤「トビエース錠」の勉強会をしました。

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OAB治療剤トビエース錠の勉強会をしました


2013年05月23日

MH@妹尾店
                 
 過活動膀胱の定義
尿意切迫感を必須症状とする症状症候群であり、通常は頻尿と夜間頻尿を伴うもの。 

効能・効果
過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁。
特に切迫性尿失禁に高い効果を示すとの事。

用法用量
通常、成人には4mg11回経口投与、症状に応じて118mgにまで増量できる
(重度の腎障害、中等度の肝障害、強力なチトクロムP450(CYP)3A4阻害薬を投与中の患者は血中濃度の上昇の可能性があるので8mgへの増量は行わないものとする)

トビエースの特徴
    デトルシトールの活性代謝物のプロドラッグ。
    膀胱に対する選択性が高く、唾液腺への移行が少ない抗ムスカリン薬。
    用量依存→理由:デトルシトールは主にCYP2D6で代謝され活性代謝物
       となるが、この
CYP2D6は個人差が大きく活性の弱い人では
             デトルシトールの効果が出にくかった。
             しかしトビエースは非選択的エステラーゼで代謝され、
             この非選択的エステラーゼは全身にあるので個人差が出にくい
             そのため血中濃度のバラつきが少なくなるので用量に依存する。
    他の過活動膀胱治療剤にある重大な副作用のQT延長(心筋が電気的に不安定になり重症不整脈などが起きやすくなる)がない。 

調剤・投薬
一包化は基本的には不可→ヒートから出して1カ月で粘着性が出てくる。
食前・食後での効果の違いなし。 感想膀胱への選択性が高く、
  また唾液腺への移行が少ないので
SEが他のOAB治療薬より少ないという事
  でしたが、データとしては口渇の差はあまり見られないような印象でした。
  しかし、口渇は患者さん個々の感じ方によって違ってくるのでデータで明確
  にするのは難しいのかなとも思いました。
  ただ、個人差が大きく
4mgまでしか使えなかったデトルシトールをプロドラッグ
  にする事で個人差が少なくなり、
8mgまで増量できるようになった事で治療の
  幅が広くなった事が良いと思います。

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2013年05月07日
本邦初 成人期AD/HD治療薬ストラテラの勉強会をしました。

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コンサータ錠との違いも含めて
本邦初 成人期AD/HD治療薬ストラテラの勉強会をしました。


2013年04月22日

MI@東畦店
                  
ストラテラはコンサータに続く国内2番目のAD/HD治療薬であり、日本で初めて成人期AD/HDへの適応が承認された薬剤である。

 AD/HDとは?
Attention-Deficit/Hyperactivity Disorderの略で、日本語では注意欠如・多動性障害という。脳の機能的な障害が原因と考えられる発達障害の1つで、著しい不注意や多動性、衝動性といった中核症状が見られる。これらの症状は、学校や職場、家庭などの社会生活において機能障害をもたらし、心身の健康や社会生活に深刻な影響を及ぼす可能性がある。 

主な症状
☆不注意・・・集中して話が聞けない、金銭の管理ができない、計画通りに実行できない、
      忘れ物や無くし物が多いなど。
☆多動性・・・よくしゃべる、落ち着きがない、貧乏揺すりなど体の一部を動かすなど。
☆衝動性・・・短気、易刺激性、思いつきをすぐ言動に移す、危険な運転など。

小児期のAD/HDの有病率は4~12%といわれているが、そのうちの約50~70%の患者が成人期に至っても病状が持続している。
個人差はあるが、大人のAD/HDは子供の頃と比べて多動性が弱まり不注意が目立つ傾向にあり、社会的な立場も変化するため、それぞれの症状の現れ方も子供の頃とは変わってくる。そして成人期のAD/HDでは併存症が多く、主症状としてうつ状態や不安症状等があるため、うつ病、不安障害、双極性障害などとの鑑別も必要となってくる。

AD/HD症状の原因は?
今のところ、脳内のノルアドレナリン(NA)の前駆体であるドパミン(DA)の不均衡によって起きている可能性が高いとされている。 
・シナプス間隙に出る
NADAの数が少ないか? 
NADAの再取り込み量が多いか?
またはその両方で濃度が下がることによりAD/HDがおこるのではないかと考えられる。

補足:生合成過程 L−チロシン→L−ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン

 中枢神経刺激薬コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩 徐放性製剤)の作用機序
メチルフェニデート塩酸塩の一般製剤であるリタリンはナルコレプシーに適応があるが、徐放性製剤であるコンサータは小児期におけるAD/HDの治療に用いられる。
中枢神経刺激薬であり、脳神経系に直接作用してDAの放出を促したり、DANAが再取り込みされるのを阻害して、結果的にDANAが増えた状態を保つ薬効を表す
中枢神経刺激薬の特徴として、直接DAの放出に働きかけるので作用発現が早く、また大脳前頭皮質という特定された場所だけでなく、幅広く脳の他の場所にも直接作用してドパミン系の神経機能不全を改善することから、作用範囲が広いという特徴をもつ。
そして徐放製剤であることから、約12時間効果が持続し、朝1回の服用で学校での昼間の服用が省けることになる。 

非中枢神経刺激薬ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)の作用機序
脳の前頭前野の神経終末にあるノルアドレナリントランスポーターを選択的に阻害し、NA及びDAの再取り込みを阻止することで、これらの神経伝達物質の脳内濃度を上昇させる。
(前頭前野にはドパミントランスポーターが少ないので、DANAトランスポーターから再取り込みされようとしている。)
線条体と依存形成に関わる側坐核ではDA濃度は上昇しないので、依存・乱用につながる危険性は極めて低い。そして、メチルフェニデート塩酸塩で禁忌とされる、過度の不安や緊張などの依存障害をもつ人にも使用可能となる。
NAトランスポーターにだけ結合してその他の受容体にはほとんど作用しないので、副作用も比較的少ないと考えられ、このような作用特性から「選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(Selective NorAdrenalin Reuptake Inhibitors)」と呼ばれる。

 ストラテラの用法・用量
18歳未満の患者
   通常アトモキセチンとして10.5/圓茲螻始し、1週間以上の間隔をあけて増量
   していき、
11.2~1.8/圓念飮する。ただし、いずれの投与量においても12回に
   分けて経口投与する。
18歳以上の患者
   通常アトモキセチンとして140咾茲螻始し、1週間以上の間隔をあけて180咾泙
   増量した後、
2週間以上の間隔をあけて180~120咾琉飮量まで増やしていく。
   ただし、いずれの投与量においても11回又は12回に分けて経口投与する。

 ストラテラの特徴
不注意および多動・衝動性症状の有意な改善は投与開始2週間目くらいから徐々に認められ、
6~8週目で効果が安定してきて、6割以上の患者において十分な反応が認められた。
その際の用量は、維持量80~120/日。
また長期継続投与試験においては、48週間にわたり症状の改善効果が認められ、夜間の時間帯(18:00~24:00)においても、投与開始4週目から症状の有意な改善が認められた。

 
まとめれば、
・速効性はなく、効き方はメチルフェニデート塩酸塩よりもゆるやか。
・コンサータはスイッチが入ったように効いて約12時間の効果持続に対し、
 ストラテラは
1日を通して途切れることなく、また長時間にわたり効果が持続する
 薬剤といえる。

 安全性
主な副作用は悪心、口渇、食欲減退、傾眠で、特に投与初期(2~3ヶ月)に多く見られた。
悪心の発現率が12回で服用する小児よりも大人の方が多いのは、治験時に11回で服用したためではないかと思われるので、大人も小児と同じように12回で服用するとか、ナウゼリンやガスモチンといった制吐剤と一緒に服用した方が副作用は出にくいと思われる。

 相互作用
主に肝薬物代謝酵素CYP2D6で代謝されるので、併用に注意する薬剤があることを念頭におかなければならない。
☆併用禁忌薬・・・MAO阻害薬 セレギリン塩酸塩(エフピー)
         両薬剤の作用が増強されて重い副作用を起こすおそれがある。
☆併用注意薬 ・抗うつ薬・・・相互の作用が増強される。 
CYP2D6阻害薬・・・本剤の血中濃度が上昇する。
    パロキセチン塩酸塩水和物(パキシル)との併用でCmaxが約3.5倍、AUC
    約
6.5倍に増加した。  CYP2D6代謝活性が欠損(Poor MetabolizerPM)している
    健康成人に投与した時の血中濃度と同程度。
 
・β刺激薬・・・動悸などの心血管系の副作用が強まるおそれあり。

 まとめと考察 
ストラテラは非中枢性であるため、依存・乱用につながる危険性や副作用が少ない。そして長期服用も可能ということで、今まで仕事や日常生活において何らかの支障をきたしていた、特に成人のAD/HD患者さんにとっては、とても有り難く手放しがたい薬なのではないかな?と思いました。
しかし職場や学校、家庭で困っていた状態が好転し、それが十分な期間維持できるようになったなら、漫然と服用を続けるのではなく、ストラテラの減量や中止のタイミングを主治医ときちんと相談する必要もあるのではないかな?とも思いました。 


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