2006年06月30日
H18.6.28 「脂質低下療法」の勉強会
6月28日(水)デキゴトロジー#2「勉強会・脂質低下療法

岡山市薬剤師会の定期勉強会がありました。      
講師は循環器の専門Dr。とても濃厚な内容でたくさんのトライアルから様々な事実であろうと思われることをエビデンスに基づき話していただきました。疑問点、不明な点がクリアになりました。
*心血管イベントの起こる頻度は血管内空の狭窄に比例しない。
問題はプラークである。不安定プラーク(主に酸化LDLに富みマクロファージの浸潤に伴う大きな脂質コア部分、薄い繊維性皮膜が特徴)のほうが血管内居の大きさよりも心血管イベントのファクターとしては大。
スタチンは繊維性皮膜を厚くして安定プラークに変える。
*Jカーブは存在するか?→存在しない。(The lower the better!)
LDL-Cを下げれば下げるほど心血管イベントを減少している。
従来から懸念されていたLDL−Cの下げ過ぎによるガンの発生などの悪影響があるのでは?と言う疑問に対してガンなどの有害現象の増加はみられていない。

*LDL-Cの理想値は?
おおよそ50〜70mg/dl(標準140以下)だろう。狩猟民族、野生動物のLDL-Cは50〜70。種々のトライアルにより50〜70くらいで動脈硬化の進展が止まると計算される。
炎症や内皮機能障害が改善されるのはLDL-C値が80mg/dl以下になってから。
*プラークの退縮も可能。
LDL-Cが60〜70mg/dl以下になればプラークの退縮も可能。退縮した場合血管内空が広がると言うよりも血管自体の径が小さくなる。
*DM(糖尿病)の心血管イベントへの影響
DM患者の心筋梗塞発症率は過去に心筋梗塞を発症した人と同じ。DMでなおかつ過去に心筋梗塞を発症した人の7年間の心筋梗塞発症率は45%と非常に高い。
*高感度CRPは血管内の炎症反応をみるのに有用(非保険適用) 低リスク 1mg/L未満 中等度リスク 1〜3mg/L 高リスク 3mg/L以上 数値が10以上だと感染などの強い炎症反応が起こっており使えない。 
DM患者もやはり数値が高い。炎症反応が起こっており動脈硬化が進む。
*スタチンの水溶性or脂溶性について
臨床上は関係ない。またLDL-Cを良く下げる薬剤が特にSEが多いという結果は出ていない。 
*HDL-Cの意義について
HDL-Cが1mg/dl増加すると冠動脈疾患のリスクは2〜3%低下する。
*プラバスタチンのコレステロール低下作用以外の多面的作用
1 血栓形成改善作用
2 抗酸化作用
3 血管内皮細胞機能障害の改善
4 抗炎症作用
5 プラークの安定化
実際にプラバスタチンを服用している人、服用していない人でコレステロール値が同じ人について4.4年間の冠動脈イベント発生率をみてみると服用している人の方が36%リスクが低下している。このことよりスタチンがコレステロール値以外に及ぼす働きがあると考えられる。 

石川

                        

 
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