2010年09月13日
「フリバス錠」についての勉強会をしました。

「フリバス錠」の勉強会をしました。        
                             平成22年9月13日        By AN@妹尾店
 

前立腺肥大の通院患者数は現在約
80万人。
潜在患者数も多く、増加が予想されている。

 
●前立腺肥大の自覚症状
・排尿症状…尿量の減少、尿線細小化・途絶、腹圧排尿、尿閉→主に前立腺が関与
・蓄尿症状…頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁→主に膀胱が関与
夜間頻尿に関与し、排尿障害患者の多くが夜間頻尿で悩んでいる。

 
●α1ブロッカー
・フリバス(ナフトピジル)
  T1/2β=13.2hr / 11回投与
  α1受容体サブタイプ親和性 α1A:α1B:α1D5.4116.7
  胆汁排泄で、腎機能障害患者に対しても容量を変更せず使用可能
・ハルナール(タムスロシン)
  T1/2β=9hr / 11回投与
  α1受容体サブタイプ親和性 α1A:α1B:α1D15.314.6
  尿中排泄で、腎機能障害患者に対して慎重投与
・ユリーフ(シロドシン)
  T1/2β=23hr / 12回投与
  α1受容体サブタイプ親和性 α1A:α1B:α1D583110.5
  胆汁排泄で、腎機能障害患者に対して慎重投与 

●α
1受容体サブタイプの分布
  ヒト膀胱排尿筋 α1A34%、α1B0%、α1D66%
  ヒト前立腺 α1A46.0%、α1B8.4%
  α
1D45.6%α1Dを阻害することにより一回排尿量が増加し、
  一日排尿回数が減少することからα
1Dに親和性の高いフリバスは
  蓄尿症状に有効と思われる。

 
●フリバス錠増量によるQOLの改善
フリバス錠50mg68週投与でQOLが改善したのは42.9%
効果不十分例57.1%にフリバス75mg68週投与でQOLが改善したのは54.9%
増量することにより半数以上の症例でQOLが改善する。

 ●フリバスと塩酸タムスロシンのクロスオーバー試験
最大尿量率・残尿量はどちらも優意に改善。(優位差なし)
夜間排尿回数もどちらも改善したが、塩酸タムスロシンが夜間排尿回数3.43回に対しフリバスは3.42.3回と優位に改善。
初尿意量(初めて尿意を感じた時点の膀胱容量)もどちらも優位に改善したが、フリバスがよりよく改善。
また、無抑制収縮を改善する例もあった。

 
●フリバス75mgとシロドシン8mgのクロスオーバー試験
効果は同等。
夜間多尿に関してはフリバス有効率72%に対し、シロドシンは52%

 ●副作用
フリバスの副作用発現率は承認時4.42%、使用成績調査時2.77%と低く、一日投与量を増量しても頻度に差はなかった。

 
フリバスの主な副作用…めまい・ふらつき、立ちくらみ(いずれも1%未満)
シロドシンの主な副作用…射精障害、口渇、下痢、軟便(いずれも前立腺や唾液腺等のα1Aを阻害することにより起こる)
塩酸タムスロシンの主な副作用…めまい、胃部不快感(いずれも0.15%未満) 

[
考察]
蓄尿症状改善効果にα1ブロッカーでこれほど優位差があるのに非常に驚いた。
11回投与で、腎機能低下例にも問題なく使用でき、増量することにより症状が優意に改善、副作用は増量しても頻度が変わらない非常に使いやすい薬剤だと思う。