2010年08月03日
「リリカ・カプセル」についての勉強会をしました。

リリカ®カプセルについて  
7月13日(火)はな薬局 東畦店
就実大学薬学部 実習生HN,NA

 
リリカ®カプセル(一般名:プレガバリン)は20104月現在、米国、欧州連合諸国、オーストラリア、カナダを含む世界105の国と地域で承認された薬剤であり、日本でも20104月に「帯状疱疹後神経痛」を効能・効果として承認された。2010622日にファイザーより発売。帯状疱疹後神経痛治療剤の第一選択薬として使用することができる。

帯状疱疹とは・・・
原因:
子供の時かかる水疱瘡が治った後、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に何十年も潜み続け、ウイルスに対する免疫力が低下したときに再び増殖して活動を開始して、神経を伝わって皮膚表面に現れ水疱をつくり症状が出る。
症状:
皮膚のピリピリ感、鈍痛から始まり、その後4〜10日後に身体の左右どちらかに1本の神経に沿って痛みをもった発疹や小さな水ぶくれが帯状に出現する。通常は3〜4週間で治る。好発部位は上胸背部、額である。

 
帯状疱疹後神経痛とは…
痛みには「刺激や炎症による痛み」と「神経による痛み」がある。「刺激や炎症による痛み」はケガをしたときに感じるような痛みでケガが治るとなくなる。一方、「神経による痛み」はケガなどによって痛みを伝達する神経が傷ついてしまい、ケガが治っても長期にわたって痛みが続く。少しの痛みでも強い痛みに感じたり、何もしていないのに痛みを感じてしまうこともある。 

帯状疱疹では、前駆痛、急性帯状疱疹痛、帯状疱疹後神経痛の3つがある。
前駆痛・急性帯状疱疹痛・・・炎症性の痛み  ⇒ NSAIDsが有効
帯状疱疹後神経痛  ・・・神経による痛み ⇒ NSAIDsが効きにくい 

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の皮膚症状が治癒した後も焼けるような痛みや電気が走るような痛みが持続する難治性疼痛の1つと考えられている。


帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛の移行率は約4%といわれている。

従来の治療薬:ノイロトロピン
リリカが発売されるまで日本では帯状疱疹後治療薬として1987年発売のノイロトロピン錠が用いられてきた。

鎮痛作用機序として、中枢性鎮痛機構である下行性疼痛抑制系神経の活性化作用、侵害刺激局所における発痛物質であるブラジキニンの遊離抑制作用や末梢循環改善作用等が考えられる。有効率は50%前後
ノイロトロピンは、痛みを抑える2 つの下行性疼痛抑制系神経の低下した働きを活性化することによって鎮痛作用を現すことが分かっている。

リリカの作用機序
Ca²⁺チャネルのα₂δサブユニットへの高い結合親和性によりCa²⁺のシナプス末端への流入を低下させ、興奮性神経伝達物質の過剰放出を抑制することにより過剰興奮したニューロンを鎮め鎮痛作用を示す。まだ明確にわかっていないことも多いが痛みの原因がCa²⁺チャネルの過剰流入によっておこる患者さんに効果がある。
このようにリリカは従来の疼痛治療薬とは異なる新しい作用機序の薬剤である。


 
リリカの用法・用量
リリカカプセル(25mg75mg150mg
成人には初期用量として1150mg12回にわけて経口投与。その後1週間以上かけて1日用量として300mgまで漸増する。1日最高用量は600mgを超えないこと。 

初回は夜に75mgから開始すると副作用発現率が低い。
中止する場合には少なくとも1週間以上かけて徐々に減量すること。
150mgまで漸減したら投与を中止しても良い。

 
リリカの特徴
  投与1週目から速やかな鎮痛効果を発揮する
  国内の長期投与試験によると、痛みの強度の軽減は4週目で約1/3減少、
  34週目以降で約1/2に減少していく
  長期服用しても鎮痛効果が減弱することなく治療効果が持続する
   ⇒ 優れた鎮痛効果 

  線形の薬物動態を示し、暴露量は用量に比例して増加する
  バイオアベイラビリティは83.997.7
  ⇒ 用量調節のしやすい薬物動態 
・ ほとんど代謝を受けず、腎より排泄される
  肝薬物代謝酵素チトクロムP450の各分子種の阻害作用は認められない
  ⇒ 相互作用を起こしにくい 

本剤は腎排泄がほとんどであるため、腎機能が低下、透析患者は投与量を減らす必要あり
肝臓で代謝を受けないため、肝障害の心配がない

多くの臨床試験により有効性および安全性が確認され、欧米においては帯状疱疹後神経痛を含む神経障害性疼痛の薬物治療ガイドライン/アルゴリズムの第一選択薬とされている。
末梢性神経障害性疼痛についても現在申請中であり、線維筋痛症については現在開発を進めている。

副作用について
副作用:浮動性めまい(23.4%)、傾眠(15.9%)、浮腫(10.7%)
食後に服用する方が副作用の発現が減少した。

感想今まで帯状疱疹後神経痛について知らなかったのでとても勉強になった。帯状疱疹は誰もがかかる可能性のある疾患であり、そのうち帯状疱疹後痛になった場合、痛みでQOLがガタンと落ちることは避けて通りたいものである。今までの鎮痛薬と異なる機序でリリカは鎮痛効果を発揮するため、希望を与えてくれる薬剤であると感じた。20106月に発売されたばかりなので患者さんが実際に使ってみたときの治療効果がどうなのかが気になるところだ。患者さんの中には布団によっても痛みを感じ、不眠になってしまう人もいるということなのでリリカを用いることで少しでも改善されたらいいと思う。



 
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