2008年04月22日
チャンピックスの勉強会をしました。

チャンピックスの勉強会をしました。

               2008年4月9日 BY MH @東畦店


α4β
2ニコチン受容体部分作動薬(禁煙補助薬)

チャンピックス錠 0.5mg 1mg

 

<喫煙を取り巻く環境の変化>

     喫煙は、肺がん・冠動脈疾患・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などさまざまな疾患のリスクを高めます。しかし喫煙者が禁煙することにより短期的、また長期的にさまざまな効用が期待できます。COPD発症後でも禁煙により呼吸機能の低下を抑えることが出来ます。

     アンケートの結果によると医師の82%は喫煙が、88%はニコチン依存症が治療の必要な病気であると回答しています。しかし、喫煙者が禁煙について医師に相談する比率は先進国ではアメリカが76%、ドイツ57%、etc.に対し日本は19%と群を抜いて低い比率になっています。このように医師と喫煙者の喫煙に対する考え方はかけ離れているようです。

     平成20年4月より新しい健診制度である特定健康診査(特定健診)が義務化され喫煙歴チェックが項目に入っています。

 

<作用機序>

脳内のニューロンのα4β­受容体に結合することにより、ニコチンの結合を妨げ、本来ニコチンが結合し放出されるドパミン(気持ち良くなる)を抑制します。しかし部分的作用薬であるため、少量のドパミンが放出されて禁煙による離脱症状が軽減されます。

 

<特性>

     今までの禁煙補助薬のようにニコチンを含まない経口禁煙補助薬

     喫煙により得られる満足感を抑制し、タバコが美味しくなくなる。

     ガム・パッチに比べて優れた禁煙効果

(禁煙補助薬なしの禁煙に比べ、ガムは1.66倍パッチは1.84倍に対してチャンピックスは3.22倍)

     薬剤依存性が少なく簡単に治療終了出来る。

 

<使用方法>

(1週) 禁煙の開始予定日を決めその一週間前より服用します

     1日目〜3日目 0.5mg錠を1日1回食後(朝・昼・夕は問わず)

     4日目〜7日目 0.5mg錠を1日2回朝・夕

(2週) 8日目に禁煙を開始します。

     8日目〜    1mg錠を1日2回朝・夕

(12週)12週で投与終了、なお禁煙に成功した患者では長期間の禁煙をより確実にするために必用に応じて12週間にわたり延長投与できます。しかし保険適用は12週までで延長投与は自由診療となります。

 

     禁煙治療後では1年間は再治療には保険が使えませんが1年経過後は保険が使えます、また回数には制限がありません。また原則として他の禁煙補助薬との併用は禁となっています。

     食後投与となっていますが、食事の影響はないので空腹時でも問題ないです。

     禁煙治療中に喫煙してしまっても投与量に変更はありません。

     主として腎排泄されます、シメチジンとの併用で腎クリアランスを低下させるので併用注意。

     重度の腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス推定値:30ml/分未満)の場合は0.5mg1日1回で投与を開始し、その後必要に応じて最大0.5mg1日2回に増量する。

     妊婦への投与は、安全性は確立されていないが、喫煙のリスクも高いので、できることなら補助薬を使わずに禁煙が望ましい。

     高齢者では腎機能が低下していることが多いので、投与には注意が必要。

 

<保険診療の対象患者>

     直ちに禁煙しようと考えていること

     ニコチン依存症のスクリーニングテストが5点以上であること

     プリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること

     禁煙治療を受けることを文書により同意していること

 

保険診療の出来る施設は岡山県には約40施設あるそうですが、施設基準を満たし届出が必要なため保険診療の出来る施設は少ないようです。自費診療、薬価は、2008年4月18日決定するそうですが、他の禁煙補助薬をほぼ費用的には変わらないそうです。


禁煙に成功するには本人の意思が一番重要ですが、周りのサポートがあれば確立がかなり上がってくるようです。家族はもちろん、病院、保険薬局の患者と関わる職員が声かけや励ましをすることが重要になってきます。私も医療従事者として、そのような患者様が来られたら心をこめたサポートが出来ればと思います。


 
2008年04月18日
てんかんの勉強会をしました。
てんかんの勉強会をしました。

200842() 東畦店にてby HM 

今回は少し趣向を変え、特定の薬に関する勉強会ではなく、「てんかんについて」というタイトルで、薬物治療を含めた疾患全般について教えていただきました。
 

 
定義(WHO
 てんかんは種々の原因により生ずる慢性の脳疾患で、大脳ニューロンの過剰な発射から由来する反復性の発作を主徴とし、種々の臨床的ならびに検査上の所見をともなうものである。 

 
発作発現のメカニズム
     膜イオンチャネル(NaCa2+)の機能変化によってもたらされる神経細胞膜の
  興奮性増大
     興奮性アミノ酸(グルタミン酸・アスパラギン酸等)受容体を介する
  興奮性神経伝達の増強
     GABA受容体を介する抑制性神経伝達の減弱  
              ↓
脳内の興奮系と抑制系のバランスが崩れ、興奮系が強くなりすぎることで発作が
起こる
 

 
分類
     原因による分類(てんかん症候群の国際分類)
   特発性:けいれん等の素因以外に明らかな病変がない
   症候性:脳炎や脳外傷等の明らかな病変がある
     発作の型(起こり方)による分類(てんかん発作の国際分類)
   部分発作:大脳の一部から異常放電が起きる⇒焦点でのみ脳波に異常
        が見られる
         単純部分発作:  意識消失がない
         複雑部分発作:  意識消失を伴う
     二次性全般化発作:部分発作から全身けいれんに広がる
   全般発作:大脳全域にわたって異常放電が起きる⇒どの部位の脳波も
        異常を示す
     欠神発作:    ボーっとする(いきなり意識がなくなる)≒小発作
     ミオクロニー発作:手足がピクンとけいれんする
     間代発作:    全身がガクガクとけいれんする
     強直発作:    体、四肢が硬くなる、つっぱる
     強直間代発作:  強直と間代、両けいれんが順に起こる≒大発作
     脱力発作:    体の力がなくなる
     その他
   反射てんかん:ある刺激によって発作が誘発される。
          最も高頻度なのが光過敏性てんかんで、
          テレビゲームやアニメ等の激しい光により誘発される。
          主として特発性全般てんかんに属す。

 
 薬物治療
発作の分類によって薬剤を選択する(単剤治療を基本とし、
 併用時は相互作用に要注意)
抗てんかん薬の作用機序
  
     Naチャネル抑制
        Ca2チャネル抑制
        GABA作動系促進
        グルタミンサン作動系抑制
  1剤で複数の作用を有するものもある 
 併用する場合は作用機序の異なるものを組み合わせるのが原則 

 適応 ⇒ てんかんの国際分類がなされる前から使用されていた薬剤は
      添付文書上の適応と整合性が取れていない場合がある。
         Dr.の経験上、適応外の発作に使用されることもある。

血中濃度測定を定期的に実施する
 その意義は
        薬剤の効果判定
        服薬の確認
        副作用や中毒症状の責任薬剤の判定
        薬物動態の変化の有無
   特に、フェニトインのように投与量と血漿中濃度が非線形性を示す
   薬剤は注意
 

妊婦への投与
 抗てんかん薬服用により奇形の発現頻度が高くなる。(一般女性の約23倍)併用薬剤が多くなるほど頻度は高い。しかし、服用を中止することで発作が起これば、母体だけでなく胎児にも悪影響を及ぼす。妊娠を希望する場合は担当医と相談し、薬剤の種類や量の変更、葉酸、ビタミンKの補充を行う必要がある。

服薬指導に関して
        服用忘れ、自己判断での服薬中止のないように。
        他院でてんかん薬を服用中であることを伝えるように。
        疲労、睡眠不足、多量の飲酒がてんかんの助長因子となることもあるので、
   できるだけ減らす。
        一般的な副作用(眠気、ふらつき等)は説明するが、それ以外の副作用に
   ついては担当医との話し合いの上で行う。

 
  基本から分かりやすく教えて頂き、なんとなく曖昧に理解していたことがクリアになりました。ただ単に私自身が勉強不足なだけ(!?)かと思っていたら、他のスタッフからも同様の意見がありました。特にてんかん発作の分類では、映像で各発作の特徴を見ることができ印象に残っています。この報告でその良さを十分伝えきれず、残念なくらいです。

 
 また、今回は学校薬剤師を担当させて頂いている養護学校の先生方も勉強会に参加してくださいました。積極的に質問される姿勢に私達も良い刺激を受けました。今後も時間が許せば勉強会にいらしてくださるそうです。