2007年12月11日
ジェニナックの勉強会をしました。
ジェニナック(メシル酸ガレノキサシン)
平成191129
妹尾店勉強会 by DT@妹尾店
 

     規格は200mg錠の1種類。
     通常、成人1回400mg、1日1回の服用。
     適応は、呼吸器、耳鼻科領域に有効。
     略号はGRNX
     PK/PD理論によって開発。CmaxAUCなどのPK(Pharmacokinetics:薬物動態)と、
   MICなどのPD(Pharmacodynamics:薬力学)を組み合わせたパラメーター。
   Time>MICの時間依存性に対し、濃度依存性。キノロン系抗菌剤の有効性は、
   AUC/MICと最も相関が高いと言われている。
    Tmaxは約2時間(T1/2は約11時間)で速やかな立ち上がりと高いAUCであり、
   また耐性菌を抑える濃度(MPC)をも越えるが、副作用、
   禁忌は他のニューキノロンと同等。
     主なSEは、下痢3.3%、頭痛1.7%、軟便1.4     代謝は、肝:腎=1:1
     65歳以上なら一般に代謝が低下しているため、1日1回200mgでも効果十分。
     粉砕で問題となるのは、苦味。

<以下、併用注意よりピックアップ>
     AlMgCaFeZn含有製剤は、本剤服用後2時間以上あける』に関して。
    他のニューキノロンと同様の傾向で、先にジェニナックの服用がよい。
    ジェニナック,叛酸剤△良用順では、→△20%の吸収低下に対し、
    →,任40%の吸収低下のデータあり。
     『フェニル酢酸系、プロピオン酸系NSAIDsは他のキノロン系抗菌剤との併用で
    痙攣を起こす』に関して。中枢神経におけるGABAa受容体への結合阻害は
    ジェニナックではほとんどないため、他のキノロンと比較して痙攣の
    可能性は少ない。
 以上

 
2007年12月11日
「セセラ・ジェイゾロフトの勉強会」が有りました。

 

セララ錠とジェイゾロフト錠の勉強会がありました。
 
2007/12/3  H.Y@内尾


今回、選択的アルドステロンブロッカーであるセララ錠と選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であるジェイゾロフト錠の勉強会がありましたので、報告致します。

※ジェイゾロフト錠に関しては、説明がかなり駆け足であったため、今回はメモ程度に留めます。


セララ錠

『アルドステロン』とは・・・

アルドステロンはRA系の最下流に存在し、水やNa+の再吸収作用を有するホルモンと考えられてきましたが、最近では、それ以外にも血圧上昇、さらには心臓・腎臓・脳などに直接障害を引き起こすことが明らかにされています。そのため、高血圧や心疾患の抑制において、アルドステロンを直接ブロックすることが重要です。


【セララ錠の特性】

     選択的にMR(ミネラロコルチコイド受容体=アルドステロンの受容体)に結合し、アルドステロンの作用を直接ブロックしますので、優れた降圧効果と臓器保護効果(特に心保護効果)を発揮します。

     高食塩下で臓器障害が多いため、塩分摂取量の多い高血圧患者さんへセララ錠を投与することで心肥大効果が期待できます。

     スピロノラクトンとは違い、性ホルモン受容体にはあまり結合しないので女性化乳房・月経関連障害・勃起機能不全などの副作用が発現しにくいです。

     11回の投与で、24時間良好な降圧効果を示します。

     Ca-拮抗薬、β-遮断薬の投与不十分例や、サイアザイド系利尿薬との併用においても、優れた降圧効果を発揮します。

     ACE阻害薬、ARBとの併用においても優れた効果を発揮しますが、高カリウム血症を起こす可能性があるので併用注意となっています。


故に、セララ錠は特に、

『心保護を考慮すべき高血圧の患者さん』

『食塩摂取量の多い高血圧の患者さん』  への投与が有効だと分かりました。

     アルドステロンブレイクスルーについて

ACE阻害薬、ARBを使用すると、投与し始めにおいてアルドステロン濃度は低下しますが、長期(6ヶ月間以上)に投与された場合に、AT兇稜仕拱儔修呂覆い砲盍悗錣蕕此▲▲襯疋好謄蹈鵑稜仕戮肋緇困靴討ることがあると言われていて、そのことをアルドステロンブレイクスルーと言います。このことは、RA系だけではなく、非RA系からもアルドステロンが産生されていることを示しています。よって、非RA系をblockするセララ錠は、このアルドステロンブレイクスルーを予防する働きがあると考えられるため、ACE阻害剤やARBだけでは降圧効果が弱い場合に、セララ錠を併用することでその効果をより有効に発揮できるようにできると考えられます。

 

 ジェイゾロフト錠                                                     

すでに海外ではゾロフト錠という商品名で使われており、この名前は「JJAPAN」、「ZO=ラテン語で心や気分」、「LOFT=持ち上げる」という意味の組み合わせで付けられています。


【ジェイゾロフト錠の特性】

     選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であり、他のSSRIと比較し、急激な血中濃度の上昇をきたしにくいため、緩徐に効果が期待できるので、使用しやすい薬だと言われています。(ただし、セロトニンのレセプターへの薬剤親和性は人によって異なるため、SSRIの効果は個人差がある。)

     11回の投与で、成人の初期用量は25mgであり、1100mgまで漸増する。

     半減期は24時間。効果においては用量依存的であるが、投与量の増加に対する血中濃度の増加は線型ではないので、例えば投与量を2倍にしたときに血中濃度は4倍以上になることもある。そのため、他のSSRIと同様に投与量設計は難しい。中止する時も増量する時も徐々に増減する必要がある。

     食事の影響を受けないのでいつ内服してもよい。

     長期服用で体重増加などの副作用はあまりないことが分かっている。

                             

 
2007年12月05日
オルベスコ(吸入ステロイド喘息治療剤)の勉強会をしました。
オルベスコ(吸入ステロイド喘息治療剤)の勉強会をしました。
                         内尾店 @KO

現在、喘息に罹患している患者さんは、日本で300〜400万人と言われています。喘息は「気道の慢性炎症」という捉え方が深く浸透していることから、抗炎症作用を持つ吸入ステロイド剤の投与が、喘息予防の管理ガイドラインにおいて推奨されているため、今回、成人用として新しく発売された吸入ステロイド喘息治療剤オルベスコの勉強会をしました。

     吸入ステロイドの働き
  ステロイドには強い抗炎症作用がある。気道の炎症がおさまると、
  過敏症が低下し発作が起こりにくくなるため、普段からステロイド吸入薬に
  より気道の炎症をしずめておくことが発作を予防する意味で非常に重要である。
     吸入ステロイドの薬理作用
  ステロイドには組織の反応性を低下させる作用がある。気道における
  抗炎症作用は、炎症起因物質のサイトカイン、マスト細胞、好酸球などを
  減少させることによる。そのほか、血管透過性抑制作用や粘液分泌抑制作用
  もある。
オルベスコ(シクレソニド)の特徴
     ステロイドの一種シクレソニドを主成分とするエアゾール式吸入薬
     スペーサーの有無で効果特に変わりなし→吸入速度が低くても大丈夫
     有効成分が肺内に長時間滞留することから1日1回で高い有効性を示す。
     使用が効果的
   (通常100400最大投与量800の時は朝、夜の1日2回に分けて投与する。)
     エアゾールの粒子型が他製剤より小さいため、薬剤の肺内到達率が52%と高い
     肺で活性化される局所活性型のプロドラッグ
  (主成分シクレソニドは肺でエステラーゼという酵素により加水分解され活性代謝物
  に変換される。活性体の薬理作用は未変化体の約
100倍)
→上記2点より
口腔内残存(付着)率が少なくなるため吸入ステロイド薬で発現しやすいといわれて
いる口腔咽頭部の局所副作用(嗄声、口腔内カンジダ症)の軽減が期待される。
             →アドエア7%、オルベスコ07
     タンパク質への結合親和性が高く、肝臓での代謝も速いことから、
  タンパクに結合した分子がすばやく不活性化され体外へ排出されるため、
  全身性副作用が起こりにくいと考えられる。

    
使用上の注意
・予防薬として毎日規則的に吸入する。
     副作用は他薬より軽減したが、吸入後のうがいは必ずする
 →夜1回吸入が主のため、歯磨き前吸入でうがい忘れなし!! 以上のことより、
  今までの吸入薬で口腔内、あるいは全身副作用の出やすかった患者様、
  吸入力が少ない患者様、コンプライアンスがあまりよくない患者様などに
  使っていただきたいお薬だと勉強会を通じて感じました。


 
2007年12月03日
セララ(エプレレノン)の勉強会をしました。




セララ(エプレレノン)の勉強会をしました。

                      By MH@東畦店


世界初!選択的アルドステロンブロッカー(
SAB:新しいクラスの高圧薬)

最近アルドステロンは心血管疾患のリスクファクターとして注目されています。                                                                             

アルドステロンはRA系の最下流に存在して、主に水・Na+の再吸収に関係するホルモンと考えられてきましたが、血圧の上昇に加えて心臓・血管・腎臓・脳などに対して障害を直接引き起こすことが明らかにされています、そのため高血圧や臓器障害の抑制において、アルドステロンを直接ブロックすることが重要です。


 
作用機序

選択的アルドステロンの受容体であるMR(ミネラルコルチコイド受容体)に結合してアルドステロンの作用を直接ブロックします。

MRは腎臓などの上皮組織だけでなく血管・心臓・脳などの非上皮組織に発現していることが明らかになり、アルドステロンの非上皮性が心血管イベントに関与する可能性が示唆されている。

上皮組織→アルドステロンとMRの選択的結合が保護。

非上皮組織→アルドステロンとMRの選択的結合が保護されていないが、わずかに結合すると考えられる。

セララは上皮性/非上皮性MR拮抗薬である。

 

同じMR拮抗薬であるスピロノラクトンはMRだけでなく性ホルモン受容体に結合するため副作用が多く発現する(女性化乳房・月経関連障害・勃起機能不全)、またエプレノンのMR親和性はスピロノラクトンと比べてかなり高く利尿効果はほとんどないため、スピロノラクトンとセララは全く違う薬であると考えられます。

 

使い方

日本では高血圧のみの適用です。

日本人の食塩摂取は海外に比べて高く、一時期よりは下がりましたが一日の摂取量の平均は11.4gでガイドラインの6gよりかなり量が多くなっています。食塩摂取量が多いとアルドステロンが有害作用を発現して心筋細胞の肥大につながります。

また、食塩摂取量が多いと低レニン状態になりACE阻害剤やARBでは高圧効果が下がるのに対し、セララは安定した高圧効果が期待できます。

単独投与でも高圧効果は期待できますが、セララは併用薬としてとても使いやすい薬剤であり、Ca拮抗薬、ARBACE阻害薬、βブロッカー、利尿薬と併用できます。

エビデンス

心筋梗塞後患者さんを対象として、セララの生命予後に及ぼす影響を検討した試験

EPHESUS

標準治療+セララにて死亡率が15%減少、心臓突然死が21%減少、早期における突然死31%減少

心筋の繊維化を抑制する。

高血圧概往例における生命予後の改善。


 
臓器保護

アルドステロンブロッカーは日本、米国、欧州のガイドラインで心疾患を伴う高血圧治療に推奨されています。

アルドステロンブレイクスルー対策を期待している。

アルドステロンブレイクスルーは、長期間(6ヶ月以上)ACE阻害薬やARBなどのRAA系を抑制する薬剤を投与し、いったん低下していた血漿アルドステロン濃度が再び上昇し始める現象、高血圧になることはないが、心肥大、蛋白尿など臓器障害が進展しやすくなると言われている。原因としてAACE以外の経路で産生されるため、A兇増加してアルドステロンも増加することと考えられている。

ACE阻害剤で40〜50%、ARBで20〜30%

 

用法・用量

1日1回50mgより投与開始、効果不十分は100mgまで増量することが出来ます。

24時間良好な血圧コントロールができます。

長期投与においても良好な血圧コントロールができます。

製剤は25mg・50mg・100mgで半錠には出来ない(かなり味が悪い)


 
禁忌

1:本剤の成分に対し過敏症の概往歴のある患者

2:高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者

3:微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者

4:中等度以上の腎機能障(クレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者

5:重度の肝機能障害(Child-Pugh分類 クラスCの肝硬変相当)のある患者

6:カリウム製剤、カリウム保持利尿薬を投与中の患者

7:イトラコナゾ−ル、リトナビル及びネルフィナビルを投与中の患者

7項目のうち2〜7項は高Kに関係している。


使用上の注意

CYP3A4阻害薬と併用する場合には本剤の投与量を1日1回25mgとする。

(クラリスロマイシン・エリスロマイシン・フルコナゾール・サキナビル・塩酸ベラパミル等)短期間でも減量とする。

高カリウム血症が現れることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)の一週間以内及び一ヶ月後に観察し、その後も定期的に観察すること。

 

以上、使いにくい点はあるようですが、食塩摂取の多い日本人の高血圧の患者にはかなり期待のできる薬剤です。レニン・アンジオテンシン系(RAS)の中心はアンジオテンシン兇任△蠅泙垢、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の中心はアルドステロンとなっていくと思われます。