2010年12月11日
 「ザイザル」の勉強会をしました。
今世紀最後の抗ヒスタミン薬と言われる「ザイザル錠」の勉強会をしました
                            
By TH @東畦店

 現在、抗ヒスタミン薬はH受容体への選択性を高め、眠気や倦怠感などの中枢神経系の副作用を軽減した第二世代の薬剤が主流になってきていますが、さらに効果が強く、より安全性を高めた薬剤の開発が望まれてきました。今回、新規抗ヒスタミン薬ザイザル(レボセチリジン)が2002年承認のクラリチン以来、8年ぶりに本邦で承認を受け、201012月に発売されることになり、より理想的な抗ヒスタミン薬に近づける薬剤として期待されています。
ザイザルは第二世代抗ヒスタミン薬ジルテック(セチリジン)を光学分割し、H受容体に、より親和性をもつ活性体(L体)のみを分離することによりできた製剤であり、海外では2001年にドイツで承認されて以来2010年5月現在では米国を含む世界93ヶ国でアレルギー性鼻炎および慢性特発性蕁麻疹を適応症として承認されています。

レボセチリジンの製剤学的特性
レボセチリジンはラセミ体であるセチリジンのR−エナンチオマーのみを精製した光学活性体であり、治療上の活性本体である。

 セチリジン (レボセチリジン+デキストセチリジン)
 ↓<光学分割>
レボセチリジン 

【セチリジンと
レボセチリジンの特性について
  ◎ セチリジン(ヒドロキシジン塩酸塩アタラックスの活性代謝物)
    *ヒスタミンH1受容体に対し強力かつ選択的拮抗作用
    *速効的で持続時間が長いので1日1回投与
    *コリン性、アドレナリン性、セロトニン性受容体などに対する結合親和性
     が低く抗コリン作用に基づく副作用が少ない
*両性イオンとして存在する
     ために血液―脳関門通過性が低く中枢への影響が少な
*アレルギー反応
     の遅発相における好酸球遊離抑制を臨床用量で抑制
    *ロイコトリエン遊離抑制作用があり鼻閉に有効

  ◎  
レボセチリジン
    *H受容体親和性はデキストセチリジンの約30倍高く強力
    
*受容体解離半減期はデキストセチリジン6分に対し142分と穏徐であり
     持続的な抗ヒスタミン作用が期待できる
*脳内移効率はデキストセチリジン
     の約1/5であり中枢神経系への影響が少ないことが予想される。
    *セチリジンの半量でセチリジンと同等の抗アレルギー効果を有する
    *非鎮静性とされてきたフェキソフェナジン(アレグラ)よりも低い鎮静性 
     (抗ヒスタミン薬は脳内のヒスタミンH1受容体占拠率が低いほど鎮静性が低い)

 
【レボセチリジンの副作用
 傾眠(5.2%)、頭痛(3.3%)、疲労(3.0%)など。既存のセチリジンでは
重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状、痙攣、肝機能障害、黄疸、
血小板減少が報告されている 

 
ザイザル錠5mgの製品ガイド
効能効果  :アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚疾患
用法用量  :成人1日1回5mg就寝前小児(7歳以上15歳未満)
       1回2
.5mg1日2回朝食後就寝前 
使用上の注意:本剤は主として腎臓から排泄されるので高齢者では腎機能低下により
       必要。クレアチニンクリアランスが10ml/min未満の患者への投与
       は禁忌。                                                                               

考察
2011年春は今年に比べ大量の花粉飛散が予想されている。花粉症患者の増加と発症の低年齢化が進んでいる中で、今回、ジルテックと同等以上の効果に加え、中枢神経系への影響がより少ないザイザルが登場したことは、多くのアレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎で悩んでいる患者さんにとって朗報であり、QOLの向上につながる事を期待したいと思います。