2011年04月08日
認知症治療薬「メマリー」の勉強会をしました。
「メマリー」勉強会

2011310
DT@妹尾店

2011年発売(第一三共)
錠剤: 5mg、10mg、20mg
一般名: メマンチン塩酸塩
効能効果: 等度及び度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
用法:  通常、成人には1日1回5mgから開始。
     1週間に5mgずつ増量。維持量は1120mg
            ただし、高度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30ml/min未満)には、
     維持量は1110mg
 

 
<特徴>Ÿ   世界初で唯一のNMDA受容体拮抗
        (NMDAN−メチル−D−アスパラギン酸) 
        ※アルツハイマー型認知症の病態時は、シナプス間隙のグルタミン酸濃度の
          持続的な上昇によってNMDA受容体が活性化されている。

Ÿ   作用機序
   神経細胞保護作用
  神経細胞内への過剰なCa2+流入を抑制。過剰なCa2+流入は神経細胞を傷害する。
   記憶・学習機能障害抑制
  記憶を形成する一過性の高濃度のグルタミン酸が遊離されると、メマリーはNMDA
  受容体から速やかに解離してシナプティックノイズが小さくなり、神経伝達シグナル
  が伝わることによる。

Ÿ  
副作用について。
  頻度が高いものは、浮動性めまい4.7%、便秘3.1%他に食欲不振も15%未満の
  頻度高い枠にあるが、それ以外の悪心、嘔吐等の消火器症状は少ない。
 

<その他>
Ÿ   粉砕、一包化可(裸錠でも6ヶ月の安定データあり)
Ÿ   20mg錠のみ割線あり。分割よいが、苦味がある。
Ÿ   腎排泄Ÿ   1日1回5mgからの漸増投与は副作用の発現を抑えるため
  効果が見られてくるのは、10mg〜/日。但し、それでは得られる効果は不十分で、
  通常の維持量は20mg/。増量期の錠剤複数個の組み合わせの処方はよいが、
  維持期になると20mg錠以外の組み合わせの処方(例えば10mg錠×2個)であれば
  保険カットの恐れあり
Ÿ   メマリー単独でも、ChE阻害剤との併用でも、認知症症状の進行を抑制する。
  後者(アリセプトにプラスオン)で、より良い進行抑制データが得られている。

Ÿ  
言語、注意、実行、視空間能力(以上、認知機能障害(中核症状))、さらには攻撃性、
  行動障害などの行動、心理症状(BPSD)の進行を抑制する。
 

<考察>
アルツハイマー型認知症でこれまで使用されてきたアリセプトは、
  軽度から高度までの進行抑制に有効。それに対し、メマリーは中度から高度までの適応。
  しかしながら、NMDA受容体拮抗作用という新規機序であり、アリセプトに対しプラスオンの
  効果がみられている。
  副作用では頻度が高い方である“めまい”に関して特に高齢者では気をつけなければ
  ならないが、アリセプトでは抑えられなかった攻撃性に対しても進行抑制効果がみられている
  ことは大きく、アルツハイマー型認知症が進んでいる場合ではこの薬の登場によって
  選択の幅が広がった。

以上